TrustYouでは、コロナ禍における宿泊施設に関する口コミ投稿件数を2019年度同期と比較し、口コミ投稿件数の回復度を示す指標として、トラベルヘルスインデックス公開し、その推移を確認している。今回は、弊社のセールスチームがセミナー/ウェビナーで発表している資料の一部を抜粋し、その内容を紹介する。
下記の折れ線グラフは、日本国内における2020年から2021年にかけての口コミ投稿件数の回復度(トラベルヘルスインデックス)の推移を、観光庁が発表している客室稼働率(宿泊旅行統計調査稼働率と口コミ数の推移を示している。黄色の線が稼働率、グレーの線が口コミ数(口コミ投稿件数の回復度:2019年度との比較で何パーセントまで回復しているか)となる。
2020年4月の緊急事態宣言発令から7月のGo Toトラベルキャンペーン開始、そして12月末の同キャンペーン中断と緊急事態宣言再発令といった出来事と併せて推移を見ると、稼働率と口コミ数に相関関係があることがわかる。本ブログ作成時点では、2021年8月の客室稼働率データはまだ公表されていなかったが、全国的な緊急事態宣言再発令で下降することは容易に予想できる。
インバウンド旅行者の減少による、口コミ投稿先サイトの割合(シェア)の変動は?
さて、宿泊旅行統計調査によると、2021年5月の県別稼働率を見ると、稼働率が高かった県の1位と2位は、島根県と山口県であった。一方で稼働率が低かったのは京都府と大阪府であった。もともとインバウンド旅行者が多かった県や都市の宿泊施設の稼働率が落ちているのは明らかだが、下記のグラフを見ると、インバウンド旅行者が減少した影響を改めて確認することができる。
まず、上記の左の棒グラフで、日本人と外国人の宿泊延べ人数を比較してみると、2019年までは191万3000人だった外国人の宿泊数が、2021年には113万3000人まで落ち込んでいることがわかる。
右の棒グラフは、TrustYouが収集した口コミデータに基づき、日本の宿泊施設に関する口コミが投稿されたサイトごとの割合(シェア)を示している。2019年から2021年にかけて、シェアの1位は外資系OTAのBooking.comだが、インバウンド旅行者の減少からシェアが2019年の39%から2021年には33%と若干下がっている。一方、シェア2位のGoogleの割合は24%から23%と減少はほとんど見られず、コロナ禍でも日本人の宿泊者がGoogleへ口コミ投稿を続けていることが分かる。2020年以降は外国人の口コミ投稿者は少なくなっているはずなので、日本人でGoogle上に口コミを投稿する方が増えている可能性もある。一方で、国内OTAの楽天やじゃらんを見ると、インバウンド旅行者が減少した中でシェアを伸ばしていることが分かる。
コロナ禍における口コミスコア(日本国内平均)の推移
さて、口コミの評価点(口コミスコア/レビュースコア)の付け方については、日本の旅行者は海外の旅行者よりも控えめにスコアをつける傾向があることが分かっている。インバウンド旅行者が減少したことにより、2020年以降にスコアの下降はあったのだろうか。
下記の折れ線グラフでは、日本国内の宿泊施設の口コミスコアの平均値(100点満点中)の推移を、稼働率と口コミ数の折れ線に追加している。青い線が口コミスコアの平均値の推移になるが、スコアが徐々に上がっていることが分かる。
年度別に見ると、2019年は84.1点、2020年は83.4点と下降傾向にあったが、2021年は84.4点に上昇している。特に赤と緑の矢印の部分に注目してほしい。2020年4月の緊急事態宣言発令後、顧客の衛生管理に対する目が非常に厳しくなった。そうした状況下で、ホテルや旅館の皆さんは衛生管理対策をはじめ、様々なコロナ対策を講じたはずだ。その成果が緑の矢印の部分にあるスコアの上昇につながっていると言える。
また7月のGo Toトラベル開始後には稼働率と口コミ数も増え、これまでとは異なる様々な客層の方々が宿泊された施設も多かったのではないだろうか。そこで一時的にスコアは下がったものの、これもまた各施設の努力によりお客様の満足度が得られ、スコアの上昇につながったのではないだろうか。
上記の青の折れ線を見ると、宿泊施設の皆さんの新型コロナウイルスへの対応力と努力が、お客様の満足度の向上として表れている。また、お客様の反応としても、「ウィズコロナ」「ニューノーマル」と言われる状況の中で、新たな旅行スタイルを楽しむ方法を見つけているようにも感じられる。


